2026年8月24日、近藤心音(こんどう・こころね)が自身のインスタグラムで、代表活動中にチーム関係者からパワハラやいじめ被害を受けていたと告発した。北京、ミラノの両五輪をけがで欠場したフリースタイルスキー選手が、なぜ現役を引退したのか。12年間の競技生活の裏で何が起きていたのかを整理する。

近藤心音とはどんな選手か

近藤心音は長野県出身のフリースタイルスキー選手。女子スロープスタイルとビッグエアで、2022年北京五輪と2026年ミラノ五輪の日本代表を務めた。妹の叶音(かのん)選手も同じ競技で活躍する。約12年間トップを目指し続けたが、2大会とも本番直前の練習でひざを大けがし、滑ることなく帰国した。

8月24日、インスタで突然の告発

きっかけは8月24日のインスタグラム投稿。「ごめんなさい、ちょっとそろそろ我慢の限界なので話します」という言葉とともに、長文で実名こそ出さないものの、複数の選手やコーチ、トレーナーから受けたとされる嫌がらせの数々を明かした。投稿は大きな反響を呼び、競技団体の対応にも注目が集まっている。

告発されたいじめの具体的な中身

近藤は2025年の世界選手権後、海外遠征中に複数の選手から話しかけても無視されたり、集団から外されたりしたと主張している。本人の名前やアカウントが分かる形でのSNS上の誹謗中傷もあったといい、その一部には以前親しくしていた選手やコーチ、トレーナーも含まれていたと訴えている。SNSでの中傷の広がり方自体は、切り取りと拡散が招く被害の典型でもある(SNSの切り取り拡散問題の解説はこちら)。

トレーナーからのパワハラ

ミラノ五輪期間中の出来事として、帯同トレーナーからの対応を強く批判している。左ひざを大けがした直後、涙を流している場面で耳元で繰り返されたという言葉。出場を断念した後には、治療を受けられなかったとも主張している。さらに、二人のインスタのDM画面の背景が、本人を侮辱するスラングの画像に変更されていたとも訴えている。公の場での告発という点では、げざんの性的 assault 告白とも相通じる「声を上げる」姿勢が見て取れる。

ミラノ五輪を欠場した本当の理由

五輪を滑れなかった直接の原因は、2026年2月5日の公式練習中の転倒による左ひざの大けがだ。前十字靱帯や内側側副靱帯の損傷に加え、半月板や骨にも異常があり、7日の予選出場を断念した。北京五輪でも右ひざを負傷しており、2大会連続で日本代表に選ばれながら本番を滑れないという厳しい現実になった。パワハラが欠場の直接の原因ではない点は、本人も明らかにしている。

「強制棄権」とは何か

投稿に登場した「世界選手権の強制棄権」という言葉。2025年3月のスイスでの世界選手権で、近藤は女子スロープスタイルにエントリーしながら公式記録上はDNS(出走せず)となっている。本人は自ら「強制棄権」と表現したが、誰がどのような判断を下したかの詳細は明らかになっていない。世界選手権後からチーム内の人間関係に悩まされていたとしている。

なぜ引退を決意したのか

近藤は2026年6月8日、現役引退を発表した。「体と心を守るためにも、身を削る挑戦はここまでだなと感じました」とつづっていた。8月24日の投稿で改めて明かしたのは、けがだけが理由ではなかったということ。「この場所にいたら心が死ぬ」と感じ、その環境から離れる決断をしたという。競技自体は嫌いになっておらず、妹の叶音選手のサポートや次世代の指導に関わりたいと話している。公の場での批判やバッシングにどう向き合うかは、仲里依紗の容姿批判への反論とも重なるテーマだ。

連盟の対応は

8月24日の時点で、全日本スキー・スノーボード連盟や関係者からの正式なコメントは確認されていない。今後、競技団体が事実関係を調査するかどうかが焦点となる。いじめやパワハラの内容は、現時点では近藤本人の告発の段階であることを、読者にも押さえておいてほしい。

よくある質問

近藤心音さんはいつパワハラを告発しましたか

2026年8月24日、自身のインスタグラムのストーリーズで告発しました。6月に現役引退を発表した直後ではなく、約2カ月後のタイミングでの発信でした。「我慢の限界」として投稿に至ったと報じられています。

ミラノ五輪を欠場した直接の理由は何ですか

2026年2月5日の公式練習中の転倒で左ひざを大けがしたためです。前十字靱帯や内側側副靱帯の損傷に加え、半月板や骨にも異常があり、予選出場を断念しました。パワハラが欠場の原因ではない点は本人も説明しています。

「強制棄権」とはどういう意味ですか

近藤が2025年3月の世界選手権で使った表現です。本人は出場を強制的に断念させられたとしていますが、公式記録はDNS(出走せず)で、誰がどのような判断を下したかは明らかになっていません。

全日本スキー連盟はどう対応していますか

8月24日の時点で、連盟や関係者からの正式なコメントは出ていません。今後、競技団体が事実関係を調査し、聞き取りを行うかどうかが注目されます。

近藤心音さんは現役を引退したのですか

はい。2026年6月8日に現役引退を発表しました。けがに加え、チーム内の人間関係が精神的な負担となり、環境から離れる決断をしたと8月24日の投稿で明かしています。

告発された内容は確定した事実ですか

現時点では近藤本人の告発の段階です。競技団体や関係者側の認定や反論は確認されていません。今後の調査や説明次第で、新たな事実が明らかになる可能性があります。

参照・出典

ヘッダー画像:Martin Rulsch 撮影「Freestyle skiing at the 2020 Winter Youth Olympics - Girls’ slopestyle podium」CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)を使用。