元WBC世界バンタム級王者の薬師寺保栄被告(58)が2026年8月5日、名古屋地裁で開かれた養子縁組届偽造事件の初公判で起訴内容を認めた。 交際相手の女性(29)を養子にするため、当時の妻の署名を偽造して区役所に届け出た罪で、検察は「動機が安易」として懲役1年を求刑。判決は9月16日に言い渡される。1994年に辰吉丈一郎との王座統一戦で国民的注目を集めた元世界王者が、法廷で明かした動機と裁判の行方をまとめる。

TL;DR

  • 2026年8月5日、名古屋地裁で元WBC世界バンタム級王者・薬師寺保栄被告が初公判に臨んだ
  • 起訴内容を認め、交際相手の女性に財産を相続させるためだったと語った
  • 検察は「動機が安易」として懲役1年を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求めた
  • 2024年11月に妻の署名を偽造して養子縁組届を名古屋市中区の区役所に提出した罪
  • 判決は9月16日に名古屋地裁で言い渡される

事件の概要 - 元世界王者が何をしたのか

2026年8月5日、名古屋地裁(平手健太郎裁判官)で、プロボクシング元世界王者の薬師寺保栄被告(58)と交際相手の女性(29)の初公判が開かれ、2人とも起訴内容を認めた。

起訴状などによると、2024年11月、当時の妻に無断で交際相手の女性を養子にするため、養母欄に妻の署名・印鑑を偽って養子縁組届を作成し、名古屋市中区の区役所に提出したとされる。罪状は有印私文書偽造・同行使だ。

養子縁組は通常、養親となる夫婦双方の同意と署名が必要になる。しかし薬師寺被告は、別居していた妻に知らせることなく、妻の名前を無断で書き入れて届け出ていた。事件が発覚したのは、別居中の妻が住民票を取り寄せた際、自分には知らない養子縁組が成立していたことに気づいたのがきっかけとみられている。

初公判で判明した動機 - 「財産を少しでも渡してあげたい」

薬師寺被告は被告人質問で、動機についてこう語った。

「女性とは年の差があり、自分の財産を少しでも渡してあげたいと思った」

2人の交際は約10年前のテレビ番組での共演をきっかけに始まり、その後も交際を続けてきたという。薬師寺側の妻との離婚協議がまとまらないまま、交際相手の女性に自身の財産を相続させる目的で、うその養子縁組に及んだと検察側は指摘している。

また、被告人質問では、妻とは昨年10月に離婚が成立したことを明かした上で、「今後は養子縁組を解消し、女性と結婚したい」と述べた。偽造した養子縁組を解消する意向を示している。

検察の求刑と弁護側の主張

初公判では起訴内容に争いがなく、事実関係は認められたため、審理の焦点は量刑に絞られた。検察側は即日結審となる方針で進めた。

論点検察側の主張弁護側の主張
罪の評価妻の署名・押印を偽造し、動機が安易事実を認め、反省している
求める判断懲役1年執行猶予付き判決
審理の進め方即日結審即日結審

検察は、妻の署名や印鑑を勝手に用いた点の悪質性を指摘し、「動機も安易だ」と主張。2人の被告にそれぞれ懲役1年を求刑した。一方の弁護側は、事実関係を認めて反省していることや、実害が生じていないことを挙げ、執行猶予付きの判決を求めた。双方の主張を踏まえて即日結審し、判決期日が指定された。

なお、この事件の背景には、これまで報じられた芸能人スキャンダルと同様に、元世界王者としての知名度と私生活のギャップが注目されている点がある。事件の経緯は薬師寺保栄の関連トピックまとめでも確認できる。

薬師寺保栄の現役時代 - 辰吉丈一郎との王座統一戦

薬師寺保栄は、平成ボクシングシーンを代表する選手だった。今回の事件が大きく報じられる背景には、かつて国民的な人気を誇った元チャンピオンであることがある。

1987年のプロデビュー後、1993年12月にWBC世界バンタム級王者・辺丁一(韓国)に挑戦。代役での出場ながら判定で王座を獲得した。そして1994年12月、辰吉丈一郎との王座統一戦に判定勝ちし、ファンの記憶に残る名勝負を演じた。その後も4度の防衛に成功している。

年月出来事
1993年12月WBC世界バンタム級王座を獲得
1994年12月王座統一戦で辰吉丈一郎に判定勝ち
1995年王座を失い現役引退
以後名古屋でジムを経営、タレント活動も

引退後は地元・名古屋でボクシングジムを経営する一方、バラエティ番組にも出演していた。しかし「まだまだ俺はモテる」といった発言や、物干し竿での暴力・暴走行為などの過去も報じられ、SNSで批判が集まることもあった。7月の在宅起訴報道でも詳しく取り上げている。

養子縁組偽造の法的意味 - 何罪になるのか

今回問われている有印私文書偽造・行使は、私文書の署名や内容を偽って作成し、それを役所などに提出して行使する犯罪だ。第三者を養子にする手続きは戸籍に記録され、財産の相続関係にも影響するため、不正に用いられると制度全体の信用が損なわれる。

実際、財産の承継目的で養子縁組が悪用されるケースは存在する。今回の事件も、妻に知らせず交際相手に財産上の地位を持たせようとしたもので、戸籍制度の信用を揺るがす犯行と検察側は評価した。交際相手の女性(29)も共犯として起訴され、同日に起訴内容を認めている。

今後の見通し - 判決は9月16日

初公判は即日結審となり、判決は2026年9月16日に名古屋地裁で言い渡される見込みだ。

事実関係は認められており、量刑が焦点となることから、懲役1年・執行猶予付きの判決になるかどうかが注目される。検察の求刑が懲役1年だったため、実刑になるかどうかが焦点だ。薬師寺被告が示した「養子縁組を解消して女性と結婚したい」という意向を、裁判所がどう評価するかも注目される。

FAQ

薬師寺保栄被告はどんな事件を起こしたの?

2024年11月、当時の妻に無断で交際相手の女性(29)を養子にするため、妻の署名・印鑑を偽って養子縁組届を作成し、名古屋市中区の区役所に提出しました。有印私文書偽造・行使の罪で起訴され、初公判で起訴内容を認めました。

判決はいつ言い渡される?

2026年9月16日に名古屋地方裁判所で言い渡されます。初公判(8月5日)で即日結審し、検察は懲役1年を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求めています。

なぜ養子縁組を偽造したの?

薬師寺被告は「女性とは年の差があり、自分の財産を少しでも渡してあげたいと思った」と語りました。約10年前の共演をきっかけに交際した女性に財産を相続させるためで、妻との離婚協議がまとまらないまま、うその養子縁組に及んだとされています。

起訴内容は認めたの?

はい。初公判で薬師寺被告も交際相手の女性も起訴内容を認めました。事実関係に争いがないため、審理は量刑に絞られ、検察の懲役1年求刑と弁護側の執行猶予付き判決の主張を聞いて即日結審しました。

薬師寺保栄はどんな人物?

元WBC世界バンタム級王者で、1994年の辰吉丈一郎との王座統一戦は国民的注目を浴びました。4度の防衛を記録しています。引退後は名古屋でジムを経営しバラエティにも出演していましたが、過去には物干し竿での暴力や暴走行為などの問題も報じられています。

妻とはどうなったの?

薬師寺被告は被告人質問で、当時の妻とは昨年10月に離婚が成立したと明かしました。その上で「今後は養子縁組を解消し、交際相手の女性と結婚したい」との意向を示しています。

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