お笑い芸人・ヒロシ(54)が2026年8月17日、自身のX(旧Twitter)で「オリジナル焚き火台」の制作をめぐるトラブルを告発し、翌18日に契約相手のメーカー「笑’s(SHO’s)」が反論を投稿して、批判の矛先がメーカー側からヒロシ側へ向き直った。 知的財産権を相手方に帰属させる契約書案と、3カ月にわたる無償の設計・試作。口約束とLINEのやり取りだけで始まった仕事が、なぜここまでの対立になったのか。双方の言い分とSNSの反応、今後の焦点を整理する。

何が起きたのか - 8月17日の告発と8月18日の反論

発端は8月17日、ヒロシがXに投稿した一連のポストだ。

ヒロシは「オリジナル焚火台を制作依頼。作りたい具体的な形を提示。依頼した会社が制作開始」と経緯を説明し、制作の途中でメーカー側が「同じものを作ると言いだす」と主張。抗議して「同じものは作らない」という約束を得たため制作を続けたものの、商品が完成して契約書の段階になると「そこの会社でロゴ変えて販売するんだと」言われたという。

「同じものは作るなら辞めるって、3回伝えたけどね」「ずっと我慢してたけど、悔しくて悔しくて悔しくて。書いてしまったよ」と吐露し、「やりとり全部ラインに残っとるんだがな。俺が悪いのか、判断してもらいたいよ」と呼びかけた。

日付出来事
8月17日ヒロシがXで制作トラブルを告発、メーカーへの批判が殺到
8月18日焚き火台メーカー「笑’s」が公式Xで反論を連投
8月19日双方の主張が対立したまま、LINE公開の有無が注目に

メーカー批判が殺到した告発ポストに対し、ヒロシは返信で「意味が分からな過ぎるのです。純粋なバカなのかと」と切り捨て、「意匠取れば良いけど、ケチ付いてるから。最早かかわりたくない」とも投稿していた。

ヒロシの言い分 - 3回断った約束が反故にされた

ヒロシ側の主張は次の3点に整理できる。

  • 作りたい具体的な形を提示した上で制作を依頼した
  • 制作途中で「同じものを作る」と言われ、3回にわたり「作るなら辞める」と伝えた
  • 一度は同じものを作らない約束を得たが、契約書段階でロゴを変えて自社販売すると聞かされた

さらに「俺の友達も、最近、ナイフのアイデアだけパクられてたよ」と、ものづくりのアイデアが横取りされる事例が身近にあったことも示唆。細かいデザインまで伝えたのに「まんまオリジナルで出すみたいですよ」と不満をあらわにした。

笑’s側の言い分 - 無償で3カ月かけた設計と契約書の条項

これに対し、埼玉県戸田市の板金工場「有限会社昭和プレス」が手掛ける焚き火台ブランド「笑’s」は8月18日、公式Xに「某タレントさんが同じデザインの焚火台を販売したと怒って?居る様ですので…私どもの言い分を書く事にします」と投稿し、ヒロシを名指ししない形で反論した。

笑’s側の説明によると、過去に何度か一緒にキャンプをしたことがある芸人からLINEで制作を打診され、「それがもう嬉しくて無償で企画設計」を引き受けたという。3カ月ほどかけて新たな構造を考え試作し、複数のサンプルを送ってOKをもらい、請書にサインをもらって材料を発注した段階だったと説明する。

転機になったのは契約書だ。笑’s側が作成して送付した契約書が戻ってきた際、知的財産権も図面もすべて相手方に帰属する内容になっていたという。「自分が3か月以上かけて考えたものを簡単に渡せますか?」と拒否したが、「全く同じ物を作ることは無い」と言っても受け入れられず、コラボも不可、自社独自構造のサイズ違い・材料違いまで「作っちゃダメ」と言われたと主張する。

「作りたいコンセプトは頂きましたけど何も新しいものはないし、デザイン盗まれた!って言われても意匠権を主張できるよなものはありません」と反論し、マネジャーから関係断絶のメールが来て、本人へのLINEも既読スルーされたという。最後は「設計料デザイン料試作料、一切頂いていません。今はただただ悲しいです」と締めくくった。なお、笑’sは材料を確保済みだったことから、その後改良を加えた商品を自社で発売したとしている。

争点は何か - 契約書の知的財産権と「OEM/ODM」の捉え方

双方の主張の中で最も食い違っているのが、商品のアイデアと設計を誰のものとみなすかという点だ。ヒロシは「自分が考案した商品と同じものをメーカーが販売した」と問題視し、笑’sは「コンセプトは頂いたが、構造とデザインをゼロベースから作ったのは自社」と反論する。

契約実務の視点からは、ネット上で次のような解説も出ている。

形態設計主体知的財産権の帰属(通例)
OEM(相手ブランドでの製造)発注側が基本設計主に発注側
ODM(企画・設計込みの製造委託)受託側が設計普通は受託メーカー側

「ヒロシはOEMのつもりで発注し、メーカーはODMのつもりで受託したのでは」という指摘だ。実際には、設計委託契約では手を動かして形にした側に意匠登録を受ける権利が原則として発生する。契約書の条項自体が特別に意地悪というより、権利をどちらが持つかを事前にすり合わせていなかったことが対立の根っこにあるとみられる。

笑’sとは - 町工場から生まれた焚き火台ブランド

笑’sは1962年創業の埼玉県戸田市の板金加工会社・有限会社昭和プレスが展開するアウトドアブランドだ。2008年のリーマンショックで仕事が激減し廃業寸前に追い込まれたことをきっかけに、二代目社長が趣味で自作していた焚き火台を商品化したのが始まりとされる。

代表作の「B-6君」は蝶番や溶接を使わない折りたたみ構造と軽さ・丈夫さが特徴で、アニメ『ゆるキャン△』に登場したことで知名度が一気に上がり、コラボモデルが数十秒で完売したこともある。2023年にはコピー品の増加を受けて「町工場プライド品質」を宣言しており、模倣される側の痛みを知る会社でもある。

実はヒロシも長年この「B-6君」を愛用してきた一人だ。ソロキャンプを始めるきっかけになった焚き火台として動画やインタビューでたびたび紹介していたという。長年信頼してきたブランドとの契約だからこそ、今回のトラブルは単なるビジネスの行き違いを超えて、信頼関係の崩壊として受け止められている面がある。

SNSの反応 - 空気が一転、双方に理解と批判

8月17日の告発直後はメーカー批判が殺到したが、18日の笑’s側の反論が広がるとXの反応はがらりと変わった

  • 「無償で3カ月かけてゼロベースから構造・デザインを考えたものを、権利も図面も独占しようとした」
  • 「物作りを舐めるな」
  • 「契約書を最初に結ばなかった双方のミスはあるが、要求は過大」
  • 「同じものを作らないと3回も約束したなら守るべき」
  • 「どっちが正しいかは置いといて、何度か一緒にキャンプした相手に『純粋なバカなのかと』は本性が出てる」
  • 「LINEのやり取りを公開して誰が悪いのか判断してもらえばいい」

「笑’sさんの説明の方が筋が通っている」「むしろ大人な対応」と笑’s側を支持する声が優勢になる一方、約束を反故にされたヒロシに同情する声も残った。「当事者間の問題をSNSで拡散する前に話し合うべきだった」と双方に苦言を呈する意見も出ている。

今後の焦点 - LINE公開は実現するのか

最大の注目は、LINEのやり取りの公開だ。ヒロシは「やりとり全部ラインに残っとるんだがな」と投稿しており、笑’s側も「喧嘩するつもりはないですけど、一応、私どもの言い分も書かせて頂きました。LINE公開して頂いて構いません」とヒロシの投稿に直接リプライしている。

ヒロシはこれまで「意匠取れば良いけど、ケチ付いてるから。最早かかわりたくない」「数十万かけて裁判勝っても得るものはない」と、法的措置には消極的な姿勢を見せている。一方、笑’s側は新たな焚き火台を今月販売しており、この商品が今回のトラブルと関係するのかも注目されている。

どちらの説明が正しいかの断定は、現時点では難しい。実際のLINEで商品の権利や類似商品の制作についてどんな合意があったのかが、判断のカギになりそうだ。8月は芸能人と企業のトラブル・炎上が相次いでおり、今回の騒動も8月のトレンドまとめに反映する。2026年に入って炎上をめぐる案件は年次まとめでも確認できる。

まとめ

  • 8月17日、ヒロシがXでオリジナル焚き火台の制作トラブルを告発し、メーカー批判が殺到
  • 8月18日、メーカー「笑’s」が公式Xで反論し、批判の矛先が逆転
  • 争点は知的財産権と図面を相手方に帰属させる契約書条項、3カ月にわたる無償設計の評価
  • ヒロシは長年「B-6君」を愛用し、笑’sは2023年に「町工場プライド品質」を宣言した会社
  • SNSの反応は笑’s側の説明を支持する声が優勢だが、双方に一定の理解も
  • 今後の焦点はLINEのやり取りの公開と、笑’sが今月発売した新商品の扱い

FAQ

ヒロシの焚き火台トラブルとは?

お笑い芸人・ヒロシが2026年8月17日、Xでオリジナル焚き火台の制作を依頼したメーカーとのトラブルを告発。制作途中に「同じものを作る」と言われ、3回断ったのに契約書段階でロゴを変えて自社販売すると聞かされたと主張した。翌18日にメーカー「笑’s」が反論を投稿し、炎上が続いている。

焚き火台メーカー「笑’s」はどんな会社?

1962年創業の埼玉県戸田市の板金加工会社・有限会社昭和プレスが展開するアウトドアブランド。2008年のリーマンショック後に趣味で自作した焚き火台を商品化したのが始まりで、代表作「B-6君」はアニメ『ゆるキャン△』に登場して知名度が上がった。

笑’s側の反論の内容は?

無償で3カ月かけて企画・設計・試作を行ったが、戻ってきた契約書に知的財産権も図面も相手方に帰属すると書かれていたと主張。設計料・デザイン料・試作料は一切受け取っておらず、「今はただただ悲しいです」と締めくくった。コラボやサイズ違いの販売も不可と言われたとしている。

争点となっているのは何?

商品のアイデアと設計を誰のものとみなすか。契約実務上は、設計委託契約では手を動かして形にした側に意匠登録を受ける権利が原則として発生する。「ヒロシはOEM、メーカーはODMのつもりだった」という捉え方の違いという指摘もある。

今後どうなる?

ヒロシが「やりとり全部ラインに残っとる」と語っているLINEの公開が注目されている。笑’s側は公開しても構わないと表明済み。ヒロシは裁判や意匠登録には消極的で、現時点では水面下でのやり取りに戻る可能性が高いとみられる。

Sources